参議院選挙の分析を踏まえて
講話日:平成28年7月14日(木) 高橋利行先生 政治評論家・読売新聞社元論説委員・編集局次長・新聞監査委員長 |
講演要旨
今回の選挙も世論調査の結果通り、与党の勝利となった。有権者が18歳以上に引き下げられて初の国政選挙だったが、若者は保守層が多かったらしく、野党に票は流れなかった。世界的に、左右がくっきり分かれた二大政党の対決と言う潮流になってきている。原因は、国民の危機感によるものである。
さて、憲法改正については、参議院でも改憲勢力が3分の2になったことで、発議は可能となったが、アベノミクスを優先させるか、改憲を優先させるかは議論が分かれるところだ。そして、優先すべき課題は何か。国会法に個別発議の原則があるので、全面改正は出来ない。9条は、今のところ国民投票で勝てる見込みがない。北朝鮮が突発的にミサイルを撃ってくるかもしれないし、大地震がまた起きるかもしれないので、緊急事態条項から取り組むべきだ。この点、反対派は「ナチスが政権を取るのに使った」などと主張してくるので、そうならないよう理論づけて、条文も検討すべきだ。
議論の進め方についても、改憲派だけで進めて行くのか、ドイツのように大連立を組んで進めて行くのか。どちらにせよ、野党第一党の民進党も議論の土俵に上がってもらわなければならない。岡田党首(当時)は、「安倍政権のうちは憲法改正しない」などと主張しているが、議論すらしないというのでは何もならない。議論して、国民投票で賛否を問うべきだ。そして、国民投票の結果に響かないよう、「強行採決」というイメージが付かないような慎重さが求められる。
■高橋敏行先生の講話(姉妹団体の(公財)協和協会での月例会)
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