第47回 新しい憲法をつくる国民大会 平成28年5月3日牛込箪笥区民ホール

  
大会プログラム
開会 午後1時 
司会 高津優介(大会実行副委員長)
公募「改憲川柳」
優秀者発表会
◎講評 清水明夫(「改憲川柳」選考委員会副委員長)
◎表彰状読み上げ・交付 堀渉(「改憲川柳」選考委員会委員長)
国歌斉唱 (1回)
開会の辞 「今年の国民大会の意義!」
重田典子 国民大会実行委員長・国民会議理事・事務局長
会長挨拶 「憲法改正は、なぜ必要なのか! その主たる問題点」
清 原 淳 平 新しい憲法をつくる国民会議・会長
激励電報披露
来賓講話 本年の主題は「憲法改正の必要性を、ご理解いただくために!」
平沢勝栄先生 衆議院議員・予算委理事、党政治制度改革実行本部長
中川雅治先生 参議院議員・議運前委員長、自民党総務会長代理
秋 元 司先生 衆議院議員・衆議院内閣委・沖縄北方特別委理事
櫻田義孝先生 衆議院議員・文科委・災害特委員、党行革本部長
齋藤康輝先生 高崎経済大学教授・憲法学(ドイツ基本法の研究者)
大会決議 丸山 隆(国民大会実行委員)
閉会の辞 深山明敏(国民会議理事、陸上自衛隊元第三師団長・陸将)
万歳三唱 安達眞五(国民会議顧問、警察庁長官官房元審議官)

※肩書は、平成28年5月3日時点による。

大会風景


大会全景
清水明夫「改憲川柳」選考副委員長

「改憲川柳」についての講評
清水明夫・選考委員会副委員長

 昨年の公募は4千句以上応募いただいたので、今年は応募内容を絞ったが1685句いただいた。
 そこで昨年同様、選考委員会を開き熱心に審査した。憲法改正にこれだけ多くの理解者がおられることに感動し、勇気づけられた。
 名句が多いだけに、選考に苦しんだが、複数票が入った200句の方を入選者とし、その中から大賞・佳作を選出した旨、講評した。
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堀渉「改憲川柳」選考委員長

「改憲川柳」表彰状読み上げ・交付
堀 渉・選考委員会委員長

 「世は変わり 憲法変わらぬ この不思議!」の句で大賞を受賞したナンサン様への表彰状を読み上げ、交付する堀渉「改憲川柳」選考委員長・新しい憲法をつくる国民会議理事長。
 今回も、北は北海道、南は鹿児島まで全国から応募があった。大賞に選出された神奈川県の雅号・ナンサン様が、幸い会場へおいでになり、賞状と賞金を受け取って下さったので、表彰式も大層よい形で納まった。
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重田典子実行委員長

開会の辞「今年の国民大会の意義!」
重田典子・国民会議理事・事務局長・国民大会実行委員長

 開会にあたりまして、この度の「熊本地震」で失われました多くの尊い命に、深い哀悼の意を捧げると共に、被災された全ての皆様とその御家族に、心から御見舞い申し上げます。また、自衛隊、警察、消防をはじめ、被災地で救援活動に従事する皆様に、心からの感謝と安全をお祈り申し上げます。
 それでは改めまして、皆様 こんにちは!
 本日は、緑の美しい大連休の中日にもかかわらず、多数お出かけ下さいまして、ありがとうございます。また、改憲川柳で受章された方々、おめでとうございます。なお、全国から改憲川柳を投句された皆様、改憲川柳もこの国民大会の一環ですので、本日のこの会場の熱い声が、全国の皆様にも届くことを願いまして、大会実行委員長として心から御礼を申し上げます。
 さて、近年、安倍晋三先生が総理になられてから、私どもが長年、念願してきた憲法改正の機運が出てまいりました。安倍総理も、国会答弁などで、憲法改正は、昭和30年に「自由民主党」が作られた時以来の「立党の精神」であり、日本にとって必要なことだ、と言われております。ただ、憲法改正には、日本国憲法第96条に、改正手続規定があって、国会で、衆・参各議院の総議員の3分の2で改正案を発議したとしても、それだけでは足らず、国民投票で「国民の過半数の賛成」を必要といたします。ですから、安倍総理も言われるように、憲法改正は、国民のご理解が必要なわけです。
 私どもの団体も、長年、努力をしてまいりましたが、国民投票法も成立した今、一層、国民の御理解が必要だと、考えております。本日の国民大会も、国民の皆様の御理解を得ることが、主たる意義であります。
 このあと、清原会長からも、憲法改正の必要性についてお話がありますし、続いて国会議員の先生方からも、それぞれに御講話がございます。また、今日は、憲法学者の齋藤康輝先生からも御解説がございます。どうか、皆さま、壇上に掲げた改憲川柳を眺めながら、今日は、憲法改正の必要性について、お考えいただきたく、よろしくお願い申し上げます。以上をもちまして、本日の国民大会の開会の辞とさせていただきます。

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会長講話「大災害地を早急に救援すべく、与野党が協力して、『国家緊急事態対処規定』を憲法へ新設せよ」
清原淳平会長

   熊本県を中心とする活断層大震災継続に対し、哀悼とお見舞いのあと、5年前の東日本大震災の53日後の国民大会でも述べたが、今回はさらに詳論するとした。以下は要旨。
 国家は、平常時ばかりではなく、自然大災害などの非常事態が発生するので、主要国憲法には「国家緊急事態対処規定」を置いている。その内容は何か? 第1に、その国のトップクラスが、その災害は国家の乗り出すべき緊急事態であることを認定し宣言する規定。第2に、その場合の総指揮者は誰が執るのかの規定。第3に、そうした大災害の救援・救済は、直ちに大きな資金を要するので、のちに国会の承認を要するのは当然として、国庫からすぐ資金を出す「緊急財政処分」の規定。この3つ規定を置くのが普通だ。
 大正12年9月1日に発生した「関東大震災」の時は、いわゆる明治憲法下であったが、時の首相は、その日のうちに「国家緊急事態発生」の宣言をし、総指揮を執るとし、また同憲法「会計」の章の規定により、その翌9月2日には、「緊急財政処分」として、国庫から資金を拠出している。
 ところが、今の日本国憲法には、そうした「国家緊急事態対処規定」がない。なぜか? それは、現行憲法は、敗戦後の占領下で出来た連合国軍による間接統治・非独立・植民地・属国憲法だからである。占領下憲法では、緊急事態が発生すれば、占領軍や宗主国が対処するものだからである。同じ敗戦国ドイツは連合国から独立を認められると、どんどん改正して、これまでに基本法を60回も改正している。そして1969年(昭和44年)には、自国のことは自国で対処するとして国家非常事態対処規定も設けた。わが国は、これまで一度も改正していない。独立主権国家だというのなら、ドイツを見習うべきである。
 日本は特に、大地震・大津波、火山噴火など自然災害の多い国だけに、当面する緊急課題として、まず与野党協力して、憲法に早急に「国家緊急事態対処規定」を置くべきだとし、その条文内容も例示した。

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来賓講話「憲法改正の実現を急げ」
平沢勝栄先生
講話

(衆議院議員・予算委理事・党政治制度改正実行本部長)
   現憲法前文に「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあるが、北朝鮮が核実験やミサイルを発射しているのに、日本の安全が守れるのか? 我々は正論を述べているのに、マスコミや憲法学者の中には、現実を理解できない人が多い。改憲川柳にも、「このままじゃ憲法守って国滅ぶ」とある。皆さん、我々の運動を理解してほしい、と熱弁を奮われた。

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来賓講話「国家緊急事態対処の規定必要!」
中川雅治先生

(参議院議員、自民党総務会長代理。議院運営前委員長)
   まず、自民党の憲法改正推進運動と国会の憲法審査会の活動状況を説明され、次いで、世界の国々は時代の要請に応え、ドイツの60回、フランスの24回等々、憲法を改正しているのに、日本が無改正でいるのは世界的に見ても、異例だ。  近年、大震災が頻発しているのに国家緊急事態対処規定がないのだから、まず、これから取り組みたい。

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来賓講話「自国を守る気概を示せ」
秋元 司先生

(衆議院議員・予算委員・自民党国土交通部会長)
 私は団塊ジュニア世代で、日教組教育で先生から日本は第9条があるから平和だ、と教えられたが、いまや中国や北朝鮮がどんどん力をつけてきて、大きな脅威となっている。
 私は、日米同盟の強化とともに、日本独自の抑止力を持つため、憲法を改正して、自衛隊を国軍と位置付け、自分の国は自分で守る気概を持つ必要がある。そのために、教育現場から是正することを考えている。

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来賓講話「まず、緊急事態対処」
櫻田義孝先生

(文部科学委員・災害特別委員、自民党行政改革本部長)
 東日本大震災、そして熊本大震災と続き、また首都直下大震災や南海大震災が言われている折から、大災害に対する「国家緊急事態対処規定」を憲法に設けることは、国民の合意も得られる。憲法改正もテーマはいろいろあろうが、まずは国民の理解が得られる大災害への「緊急事態対処規定」の整備をぜひ優先したい。

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来賓講話「改正数!ドイツに学べ」
齋藤康輝先生

(高崎経済大学教授 憲法学 ドイツ基本法の研究者)
 齋藤康輝先生は、ドイツ語に堪能で、ドイツの憲法たる「基本法」を研究しているので、ドイツではなぜ60回も改正したのかの解説があった。ドイツ人は、法と現実が合わないと思うと改正の声を挙げる。そうした「生活の中で憲法が生きている」ことを誇りに思っている。つまり、憲法については国民全体で考えよう、という「憲法愛国心」があると言える。

テレビ局各社

テレビも複数局が撮影に。
   テレビも、複数局が撮影に。 当「新しい憲法をつくる国民大会」(自主憲法国民大会)には、毎年、テレビ局が撮影にきてくれている。今年も、NHKほかが取材に来て、夜のニュースで放映した。
新聞社からも多数取材に。
今年も、全国紙、そして専門紙・誌の記者が、取材してくれた。全国紙は翌4日に、日本経済新聞、読売新聞、朝日新聞、産経新聞が記事を掲載してくれている。

丸山 隆大会実行委員

丸山 隆大会実行委員 大会決議(案)の朗読
 丸山隆大会実行委員は、長年、参加団体の遊説部長をされている方なので、声音朗々と会場に響き、明瞭で分かりやすかったこともあり、万雷の拍手を以て承認された。

伝達式

「大会決議」の伝達式
   満場の拍手をもって、可決された大会決議は、壇上前で、清原淳平会長に手交され、政府・国会へ伝達されることになる今年の大会決議は、各項目独立ではなく、今大会開催の意義・趣旨を論理的に追って行く形で作ってみた。朗読されたのは、長年、参加団体の遊説部長をされている方なので、声音朗々と会場に響き、明瞭で分かり易かった。


大会決議


一、 現行日本国憲法は昭和二十二年五月三日施行後、この七十年間、一度も改正していない。それに対して、日本から二年遅れて確定したドイツの憲法たる「ドイツ連邦共和国基本法」は、この六十八年間で六十回も改正している。

一、 ドイツはなぜ六十回も改正したのか、それは、法と現実とを合わせるためである。法は施行した時点で静止する。しかし、時勢は、日進月歩、いや分進秒歩で進展する。すると、憲法と現実との間に大きなギャップを生じるからである。

一、 日本国憲法は、戦争に負けた結果、連合国軍の占頷下に作られた非独立・属国憲法である。その内容は、(1)武力行使の放棄、(2)陸海空軍の不保持、(3)(独立国には認められる)交戦権の否認、であり、受入れざるをえなかった。

一、 ドイツは、連合国によって独立を認められ、国際連合に加盟すると、「自分の国は自分で守る」という独立主権国家の原則に従い、占領下基本法を改正して「国は防衛のために軍隊を設置する。」が「侵略戦争はしない」と明記した。

一、 当団体は、日本国もドイツと同様、憲法を改正して、独立主権国家の体裁を整えた上で、基本的人権尊重とともに、積極的平和貢献主義に転ずることを、ここに、国民の皆さまに、切に要請する。  右、決議する。

第四十七回 新しい憲法をつくる国民大会
(=自主憲法制定国民大会)

※原文は縦書きだが、ここは横書きとした。


深山明敏理事

閉会の辞 深山明敏理事
(国民会議理事、陸上自衛隊元第三師団長・陸将)

 貴重な御提言をいただきました来賓の先生方、また、御参会の皆さまには熱心に御聴講いただき、感謝申し上げます。
 本日の御発言、そして大会決議を踏まえ、私どもは一層決意を新たにして、憲法改正に努力してまいります。どうぞ皆さま、今後とも御支援御協力、よろしくお願い申し上げます。

安達眞五顧問

万歳三唱
安達眞五顧問

(国民会議顧問、警察庁長官官房元審議官)
 この改憲運動の一層の発展、そして国民への理解浸透を祈念いたしまして、万歳、万歳、万歳、ありがとうございました。

朝打合

 午前10時、ロビーで各担当部署の打ち合わせをする大会実行委員の皆さん。こうして裏方を務めて下さる同志によって、当国民大会は成り立っている。

高津優介

高津優介大会実行副委員長 司会
昨年に続いて6度目の司会役。