『自民党憲法改正案』の内容について
講話日:平成24年10月30日(火) 中谷元先生 衆議院議員、 |
講演要旨
中谷元(げん)先生は、自民党改憲案の解説に先立ち、ご自身の政策認識として、日本の「失われた20年」の原因は、5つの依存症によるとして、(1)財源を借金に過度に依存し、財政赤字が膨らんだ。(2)日米安保に依存し過ぎ、自ら国土を守る精神を没却し、それが尖閣・北方領土・竹島問題を招いた。(3)グローバル主義の幻想への依存で、日本の銀行が力を失った。(4)生活保護への依存。楽をしてお金をもらう風潮が蔓延し、財政を食いつぶす要因となった。(5)民主主義への依存。法の下の平等の意味を取り違え、行き過ぎた平等で社会主義化した。
なぜ、こうした5つの依存症が生じたか。それは、ポツダム宣言による日本弱体化政策で作られた現行憲法に根源がある。そこで、自民党憲法改正推進本部では、一刻も早く現行憲法を見直すべく改憲案づくりに入った。まず、前文には、日本の国柄を掲げ国づくりのあり方を明記した。第1条では、天皇を日本国の元首とした。第3条では国旗は日の丸、国歌は君が代とした。第9条では「国防軍」の保持を明記した。第12条では国民の自由と権利には、責任が伴うことを明記した。特に現行憲法第96条の憲法改正条項については、いずれかの議会議員が発議し、両議院の過半数で改正できるよう、条件を緩和した。等々、中谷先生は、自民党の『日本国憲法改正草案』を一同に配布した上、その要点を映像にて表示し、その主たる改正点を懇切丁寧に説明されましたので、一同よく認識できた。質疑応答も盛んであった。
中谷元先生の経歴 中谷元先生は高知県の御出身で、土佐高校卒業後、防衛大学校へ入学。防大卒の24期。陸上自衛隊入隊後、最も優秀者が選ばれるレンジャー部隊教官。国を憂える志から、2等陸尉で退官。国会議員秘書を志願し政界の勉強後、平成2年、地元高知県から出馬、連続7回当選。22年の間、沢山の役職を歴任。最も若くして国務大臣・防衛庁長官を務める。この御講話時、自民党の憲法改正推進本部事務局長兼新憲法案起草委員長として、平成24年春、草案をまとめられた。